外国人技能実習生の介護

外国人技能実習制度への介護職種の追加等について

平成28年11月28日、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号。以下「技能実習法」という。)が公布されました。今後、公布日から1年以内の施行に向けて、順次新たな技能実習制度に移行していくことになります。

今回の法律の公布により、技能実習制度の対象職種への介護職種の追加されることになります。

また、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(平成28年法律第88号。以下「改正入管法」という。)が公布されました。
介護福祉士の資格を有する外国人を対象とする「介護」という名称の在留資格を設けられます。
これは、介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動を行うことを可能とするものです。
具体的には、介護福祉士養成施設を卒業して介護福祉士の国家資格を取得した者が対象とされる予定です。

外国人介護職受け入れ方法別比較

技能実習生

EPA*

在留資格「介護」

概 要 日本の技能、技術または知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することが目的。

実習をしながら技能を学ぶ。

日本とインドネシア、フィリピン、ベトナム間で締結された経済連携協定に基づき、日本の国家資格取得が目的。

国際厚生事業団(JICWELS)を通じて斡旋

出入国管理及び難民認定法に定められた、就労が認められている就労可能な在留資格を持つ者。

就労期間

3年(諸条件をクリアした場合は5年)

4年

最長5年(更新可)

介護福祉士の国家資格に合格した場合は永続的に滞在可能

受入国

討議議事録(R/D)」ならびに「補足討議議事録(補足R/D)」を締結している 送出し国15カ国

※中国、インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、ペルー、ラオス、スリランカ、インド、ミャンマー、モンゴル、ウズベキスタン、カンボジア、ネパール、バングラディシュ

フィリピン、インドネシア、ベトナム

制限なし

雇用契約

県の定める最低時給以上

基本的に日本人と同様

基本的に日本人と同様

配置基準

最初から含めることができる

最初の6ヶ月は配置基準に含めることができない

日本語能力

入国時N4所持、1年後N3の取得義務がある

おおよそN2以上

おおよそN2以上

人財紹介団体

各監理団体

JICWELSのみ

配属までに必要な時間

面接後4~5ヶ月(ベトナム)

マッチングの約1年

留学ビザとして入国→介護福祉士養成施設(2年以上)→介護福祉士資格取得→配属

面接後6~7ヶ月(ミャンマー)

メリット

・膨大な介護職ニーズに対応可能

・政府の政策的な側面からのバックアップが強い

・受入可能国の指定がない

R/Dを取り交わしている送り出し国15ヶ国から受入可能

・政府から補助金が受けられる

・何かと制限の多いEPA制度を使わなくても介護士を雇うことができる

・N3相当まで現地で教育し、基礎的介護技能教育全般も現地で行う送出し機関から受け入れられれば、相当有用に活用できる

・4年後国家試験に合格すれば介護士として定員に数えられる

デメリット

・日本語能力がEPA,在留資格介護と較べて低い

・EPAで日本に来ても難しい介護福祉士試験に受かる人が少ない。

・介護士採用まで時間がかかりすぎる

・国家資格を所持していない

国家資格取得後、帰国者が多い

・本人に留学費用がかかりすぎ、かつ介護福祉士に受からなければ結局日本で働けない

・N4レベルで入国させると、労働しながらN3合格はほぼ無理で1年で帰国することになる

・結果的に帰国してしまう人が大半である

国家資格取得後、帰国者が多い

・基礎的な介護技能教育全般を行うことなしに受入れると、日本での介護教育に多額の費用と時間がかかってしまう

技能実習法・対象職種に介護職種が追加

外国人介護人材の受入れは、介護人材の確保を目的とするのではなく、技能移転という技能実習法の本来の制度趣旨に沿って対応されます。
職種追加に当たっては、介護サービスの特性に基づく様々な懸念に対応するため機論が交わされ、以下の3つの要件に対応できることを担保した上で職種追加される予定となりました。

(1)介護が「外国人が担う単純な仕事」というイメージとならないようにすること
(2) 外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること
(3)介護のサービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること

国において、職種追加に向け、様々な懸念に対応できるよう、具体的な制度設計を進めていくことが決まります。
技能実習制度の見直しの詳細が確定した段階で、介護固有の要件(例:必要なコミュニケーション能力、実習実施機関の対象範囲の設定)等と併せて、様々な懸念に対応できるように確認した上で、新たな技能実習制度の施行と同時に職種追加を行う予定です。